ヘルパンギーナって聞いたことがありますか?
なんだか最近よく耳にする病気、ヘルパンギーナですが、毎年五月ごろになると患者数が増加しはじめて、7月にピークを迎えます。
9月以降にだんだんと減少していきます。
患者さんは五歳以下の子供が多いです。
【ヘルパンギーナの症状】
感染してから数日間(2〜4日)の潜伏期間の後に高熱が出ます。以下のような特徴があります。
・高熱(38度以上)
・口腔内の水疱性の発疹
・喉、鼻の炎症や咳
・下痢
風邪や手足口病とよく似た初期症状です。
手足口病もよく流行する病気ですね。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ヘルパンギーナはこれとよく似た病気なのです。
手足口病と咽頭結膜熱と並んでヘルパンギーナは子どもの三大夏風邪と呼ばれています。
何よりも大事なのが事前の感染対策です。
ヘルパンギーナの特徴とその予防法を知り注意することにより、罹らないように気を付けましょう。
【ヘルパンギーナの特徴】
以下の症状がお子さんに見られた場合は要注意です!
・食事をとりたがらない
・口腔内の痛みを訴える
・口の中にだけ発疹ができる
【ヘルパンギーナの原因】
ヘルパンギーナの正体は急性ウイルス性咽頭炎です。
その多くがエンテロウイルス属のウイルスへの感染が原因とされています。
エンテロウイルス属とは、ピコルナウイルス科に分類されるRNAウイルスの総称です。
エンテロウイルス属の宿主はヒトだけと考えられています。感染ルートは飛沫感染、接触感染、糞口感染です。
【お家で出来ること】
ヘルパンギーナを治す特効薬や特別な治療法はありません。したがって、表れた症状を和らげる為の対症療法が主な治療となります。
感染から数日間で潜伏期間が終わり、その後症状が現れ始めてからはじめの三日間は高熱が続きます。
重傷でない限りは自宅療養が大事になります。
水疱は口の中にできるため、食事をとるのが難しくなります。したがってお粥やうどん、雑炊などの味が薄く柔らかい消化のしやすい食事を用意してさしあげてください。
また、水分補給も大事ですのでこまめに水分を取るように心がけ、しっかりと体を休めましょう。
高熱や頭痛、嘔吐などの症状が長く続く場合は病院へ相談しましょう。
子どもの場合は年齢が幼いほど脱水によるダメージが大きくなってしまう危険性が高くなります。
これは、年齢が幼くなるほど体内の水分量の割合が高くなることに起因します。
【病院では】
特効薬や特別な治療法が無いため、病院での治療法も対症療法を行います。
高熱が続く場合は解熱剤が処方されます。口腔内の発疹によって自分で水分や食事をとることが困難である場合や脱水症状が酷い場合には、点滴による治療を行います。
【症状が酷くなると…】
ヘルパンギーナが重症化すると合併症を引き起こしてしまうことがあります。
高熱による熱性けいれん、脳の周りを覆っている髄膜(ずいまく)に病原体が侵入する事によって引き起こされる髄膜炎、心臓の筋肉に炎症が発生する心筋炎が主な合併症です。
お子さんの体が痙攣していたり、頭痛をうったえたり、ぐったりしたり嘔吐などの症状が酷いときには速やかに医療機関を受診し医師に相談してください。
【良くなった後はいつから学校に通えるの?】
熱が上がり、口腔内の発疹が出ている間は学校はお休みしは自宅で療養しましょう。
熱が下がり、自分で食事が出来るようになるまで回復したら学校へ行って大丈夫です。
ヘルパンギーナは症状が良くなってから学校へ通うための医師の診察や診断は必要ではありませんが、学校・保育園・幼稚園よっては登校するための許可証が必要な場合もありますので、学校とかかりつけの医師に相談をしましょう。
また、咳や発熱などの症状が良くなった後でも2〜4週間は便から病原であるウイルスが排出されますので、石鹸を用いてしっかり手洗いを行って感染の拡大を防止しましょう。
【再発の危険性】
一度ヘルパンギーナに罹り全快して抗体が得られたとしても、また罹ってしまう可能性があります。水疱瘡のように一度罹ればもう二度と罹らない、というような病気ではないのです!
これはヘルパンギーナを引き起こすウイルスが一種類だけではないためです。
ヘルパンギーナの原因とされているエンテロウイルス属には沢山の種類があります。したがって一度ヘルパンギーナに罹ったことのある方でも別の年に別のウイルスが流行した場合、再び感染してしまう可能性があるのです。
また、ヘルパンギーナには有効な予防薬がありません。
罹ったことのない方も、罹ったことのある方も予防のための手洗いとうがいがとても大事です。
注意しなければならないのは、ヘルパンギーナを発症するのはお子さんに多いのですが、年齢関係なく感染する病気であるという点です。
つまり大人では感染していても症状が出ず、気づかぬ間に他の人へ感染させてしまう事があるのです。
これを防止するためには手洗いとうがいを徹底し、食器や箸、ストロー、タオルなどを家族と共用しないように注意することが有効です。
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