歯につめるアマルガム

こんにちは。スタッフのOです。今回も歯のつめものの話をしたいと思います。

・アマルガムとは
皆さんは「アマルガム」というものをご存知でしょうか。アマルガムというのは水銀と他の金属の合金のことを言います。歯のつめものとして長く使用されてきました。ここで「大丈夫なの?」と首をかしげた方もいらしゃるかもしれません。広く知られている通り、水銀は人体に有害です。昔は体温計や温度計など生活に身近なものにも水銀が使われていましたが、現在では水銀が使われた商品は全く見られなくなりました。これは水銀の有害性が危険視されているためです。水銀は金属元素の中で唯一常温で液体の元素です。これは水銀の融点(固体から液体へ変わる温度)が低いためです。水銀の融点はー38℃なので、室温では液体として存在するのです。一方で水銀の沸点(液体から気体へ変わる温度)は356℃です。他の金属に比べると低い値ではありますが、日常生活ではこのような温度まであがることはありませんね。しかし室温で水銀が気化しないかといいますと、そうではありません。部屋にコップにいれた水を置いておくと蒸発して減るように、室温であっても水銀は気化します。そして気化した水銀を吸い込むと様々な中毒症状を起こすことがあります。
実はアマルガムは冒頭でも触れたとおり歯科材料として使われています。しかし現在では水銀の体温計と同様、使われなくなってきています。アマルガムは水銀と他の金属との合金ですので融点が上昇し、お口の中ではもちろん固体の状態です。しかし水銀が徐々に溶けだし健康に支障をきたす可能性があるのです。このように健康への影響があるにもかかわらず歯科材料として使われていた理由としては、アマルガムは加工が容易で殺菌作用を持つためです。アマルガムは硬化する際に膨張するため、ぴったりと歯の穴にくっつくので歯科材料として加工しやすいのです。しかし近年では諸外国でアマルガムの使用が禁止されており、日本においてもあまり使われていません。


・アマルガムの利点と欠点
アマルガムを使うことによる利点は、アマルガムの「固まりやすく溶けやすい」という性質にあります。固まりやすく溶けやすい材料は加工がしやすいため歯科材料としては理想的な金属です。したがって、処置を簡単に行うことができるということがアマルガムの利点であると言えます。一方で、「溶けやすい」という利点は欠点にもなり得るのです。熱いお茶などを飲むことによってもアマルガムが溶けだしてしまう可能性があるため、処置から時間が経過するにつれて縁の方から形が変わってしまいます。こうしてできた隙間からまた虫歯が再発してしまう場合があります。
また、アマルガムは周囲の歯や歯茎を着色させてしまうという欠点もあります。アマルガムの成分が溶けだすことにより、周囲の組織が変色してしまうのです。これらの欠点から、現在ではアマルガムはあまり使われていません。


・アマルガムの訴訟
海外では規制の動きがかなり強まっており、アメリカカリフォルニア州では消費者団体による訴訟が起きています。母親が歯科治療の際に使用されたアマルガムが原因で、生まれた子供が自閉症になってしまったという訴えです。実際水銀は遺伝子に傷をつけてしまう作用があります。この一件で、アマルガムと神経失調の関係性が認められる可能性は高いそうです。

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