入れ歯・入れ歯安定剤とアルコール

こんにちは。高峰歯科スタッフのOです。本日は入れ歯安定剤とアルコールの関係についてお話したいと思います。検索ワードとして「入れ歯安定剤 アルコール」と調べて当ホームページを訪問された方がいらっしゃるようです。身の回りのアルコールといえば消毒剤やお酒が挙げられますね。近頃はコロナ禍の真っただ中ということで「アルコール消毒」について知りたいという方はたくさんいらっしゃるかと思います。入れ歯はお口にいれるものですからしっかり殺菌したいですよね。そこで、「入れ歯はアルコール消毒して大丈夫なのか?」という疑問について解説します。

入れ歯はアルコール消毒してもいいの?
結論から申し上げますと、入れ歯はアルコール消毒厳禁です。何故かと言いますと、アルコールによって入れ歯が変形・変色してしまうリスクがあるためです。アルコール消毒は入れ歯のお手入れとしては適しません。ちなみにですが熱湯による煮沸消毒もしてはいけません。熱によって変形してしまう可能性があります。入れ歯は乾燥によっても変形しますので、ブラシで汚れを落としてから入れ歯洗浄剤を使って殺菌・消毒をして、水の中に保存するというのが正しいお手入れ方法です。入れ歯を長く使うために煮沸消毒・アルコール消毒はしないようにしてください。雑菌の繁殖が心配…という方は市販の入れ歯洗浄剤をご使用ください。

入れ歯をしている最中に飲酒をしても大丈夫ですか?
大丈夫です。お酒に含まれているアルコールの濃度は消毒用アルコールに含まれるアルコール濃度に比べてかなり低いものですので、お酒による変形などのリスクは低いと考えられます。ただ、赤ワインなど着色しやすいお酒を飲んだ後には着色汚れを防ぐためにお食事の後には入れ歯のお手入れを忘れずにきちんとするように心がけてください。

入れ歯安定剤に含まれるアルコール
入れ歯安定剤には成分としてアルコールが含まれているものがあります。実は、入れ歯安定剤の中に含まれるアルコール成分のせいで酒気帯び運転と判定されてしまったという事例が過去にありました。入れ歯と歯茎の隙間から漏れ出た入れ歯安定剤の中に含まれるアルコール成分によって、呼気中のアルコール濃度が基準値を超えてしまったようです。その後の裁判で、呼気からのアルコール検出の原因が飲酒ではなく入れ歯安定剤である可能性が否定できないとして、運転手は無罪になりました。本来入れ歯は入れ歯安定剤を使わずとも安定するように作られています。入れ歯安定剤をたくさん使用しなければ安定しないという場合は、他の歯への負担が大きくかかっていると考えられるため歯医者さんで調整をしなければなりません。ですので、入れ歯安定剤は大量に使用することを想定されていないためにこのようなことが起こってしまったのかもしれません。

アルコールを含まない入れ歯安定剤
入れ歯安定剤に含まれるアルコール成分によってお料理の味が変わってしまったり、口腔内への刺激が強すぎてしまう場合があります。そのような時におすすめなのがアルコール成分を含まない入れ歯安定剤です。アルコールフリーの入れ歯安定剤であれば万が一歯と歯茎の間から入れ歯安定剤が染み出してしまったとしても、お料理や飲み物の味を邪魔しません。また入れ歯安定剤によってしっかり入れ歯が安定化するので入れ歯のズレを気にせずにお食事を楽しむことができます。また人によってはアルコールに対してアレルギーがあったり、刺激が気になる方がいらっしゃるかと思います。そのような方もアルコール成分を含まない入れ歯安定剤であれば安心してお使いいただけます。アルコール成分を含まない入れ歯安定剤には、クリームタイプやクッションタイプなど様々な種類のものがありますので、お手持ちの入れ歯の種類に合わせてお選びください。



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